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【特別対談】リチャーズ駐日ジャマイカ大使×C-United株式会社 代表取締役社長 友成勇樹
「コーヒーの王様」と称されるブルーマウンテンコーヒー。
その芳醇な香りと味わい、まろやかな口あたり、しっかりとしたコクの黄金バランスとも呼ばれる味わいは、
世界中のコーヒー愛好家を魅了し続けています。
毎年1月9日は「ジャマイカ ブルーマウンテンコーヒーの日」。
これは、1967年1月9日、当時最大量のブルーマウンテンコーヒーを積んだ船が、ジャマイカのキングストン港から日本へ向けて出港したことに由来しています。
現在、全国の「珈琲館」では、最高等級である「ブルーマウンテン No.1」を毎月数量限定でご提供しています。
このたび、ジャマイカの豊かな自然が育むブルーマウンテンの魅力をより多くの方にお伝えするべく、ショーナ-ケイ・M・リチャーズ駐日ジャマイカ大使(※)と、C-United株式会社 代表取締役社長 友成勇樹が特別対談を行いました。
※12月3日対談時点
ショーナ-ケイ・M・リチャーズ駐日ジャマイカ大使
2020年より駐日ジャマイカ大使を務めており、オーストラリア、インドネシア、フィリピン、大韓民国、ニュージーランドも兼轄している。
リチャーズ大使の海外勤務はこれまでも、ニューヨークの国際連合ジャマイカ政府代表部にて次席代表として務めたほか、南アフリカ共和国、ワシントンD.C.での勤務経験もある。
現在、国連軍縮諮問委員会および国連軍縮研究所評議会の議長も務めている。
リチャーズ大使は、アメリカ合衆国ジョージ・ワシントン大学エリオット国際情勢研究科より国際政策・慣行における修士号を取得。
西インド諸島大学にて学士号を取得。ミドルベリー国際大学院モントレー校より名誉博士号が授与された。
C-United代表取締役 友成勇樹
中央大学卒業後、日本マクドナルドに入社。その後渡米し、ビジネススクールでMBAを取得。
米国マクドナルド本部の教育機関「ハンバーガー大学」のプロフェッサーに任命され、世界120カ国以上のマクドナルド中間管理職スタッフを指導。
日本マクドナルドを退社後、モスフードサービスの取締役などを歴任する中、2018年「珈琲館株式会社」の社長に就任。
同社社長として、2020年に「株式会社シャノアール(カフェ・ベローチェ)」、2022年には「株式会社ポッカクリエイト(カフェ・ド・クリエ)」とも合併し、現在に至る。

―まずジャマイカとはどんな国でしょうか?
ショーナ-ケイ・M・リチャーズ駐日ジャマイカ大使(以下、リチャーズ大使):
ジャマイカはカリブ地域に位置する島国です。人口は約290万人で、豊かな自然と文化が息づき、多様な民族が共存しています。
公用語は英語ですが、日常生活ではパトワ語も広く話されています。
レゲエをはじめとした音楽文化や豊かな自然が特徴で、”森と泉の国”とも呼ばれています。
ジャマイカのコーヒーの歴史は長く、最初の苗がマルティニーク島からもたらされたのは1728年のことです。
その後、島の東側に位置するブルーマウンテン地域で本格的な栽培が始まりました。
ブルーマウンテンは最高峰2,256メートルの山脈で、北東から吹きつける貿易風が山に当たることで雨や霧が発生します。こうした気候により、コーヒーチェリーはゆっくりと時間をかけて熟し、世界最高品質と称されるコーヒー豆が育まれるのです。
独特の気候と土壌が特別な味わいを生み、世界的な名声につながりました。
―ブルーマウンテンとはどんな存在ですか?
リチャーズ大使:
ジャマイカにとってブルーマウンテンは、”歴史と文化が詰まったコーヒー”です。
国を挙げて品質管理を徹底しており、農園でのチェリー収穫から選別、精製、乾燥、輸出に至るまで、すべてが政府の管理下に置かれています。こうしてブルーマウンテンという名に恥じない品質を厳格に守っているのです。
また、度重なる自然災害による試練や、収穫後の厳しい品質検査を乗り越えて出荷されることから、「試練に打ち勝った=勝ち豆」とも称されています。
友成勇樹(以下、友成):
珈琲館にとって、ブルーマウンテンは”珈琲へのこだわりの象徴”です。
珈琲館では常時11種類のコーヒーをご用意し、ご注文をいただいてから豆を挽き、サイフォン式もしくはハンドドリップ式で一杯ずつ丁寧に抽出しています。
現在、全国の珈琲館では「ブルーマウンテン No.1」を毎月数量限定でご提供しています。
年間の提供数は約7万杯にのぼり、国内のカフェチェーンとしては最大規模の取扱量です。
―そして、ジャマイカと日本はブルーマウンテンを通して、特別な繋がりがあるのですよね?
リチャーズ大使:
はい、日本との関係はとても深く、1953年に初めて日本に輸入されて以来、70年以上のパートナーシップがあります。
とりわけ日本のコーヒー会社は、ジャマイカの農家を支え続けてくれています。
ジャマイカはしばしば台風の被害を受けます。先月もカテゴリー5の巨大ハリケーンが襲来し、甚大な被害がありました。
これまでも過去に農園が壊滅的な被害を受けた際には、日本の輸入業者は復興に尽力してくれました。
ジャマイカにとって日本は、単なる取引相手ではなく、友情と尊敬で結ばれた、本当に信頼できる特別なパートナーです。
―珈琲館では、ブルーマウンテンNo.1だけではなく、 ブルーマウンテンのブレンドコーヒーも販売しているのですよね?
友成:
はい。DE&I推進の一環として、障がいをお持ちの方々を「CUクルー」と呼び、彼らが働く焙煎所を本社1階に開設しました。
DE&Iの中でもとりわけ「インクルージョン(包摂性)」を大切にしており、新商品の開発にCUクルーが関わる機会を設けることで、やりがいを持って働ける環境づくりを進めています。
この焙煎所で手がけた特別なコーヒーが「珈琲館 銀座ブレンド」で、現在は珈琲館の2店舗で販売しています。
焙煎は非常に繊細な作業で、浅煎り・中煎り・深煎りといった焙煎度の違いだけでなく、焙煎時間や温度管理が味わいを大きく左右します。
そのため、焙煎士たちは温度の変化や豆の状態を丁寧に読み取りながら作業にあたっています。
リチャーズ大使:
すばらしい取り組みです。珈琲を淹れる工程や、一杯のカップの中に込められた想い。
すべてが「人」を中心に置く姿勢につながっている。本当に素晴らしいことです。
―それでは実際にご試飲いただきたいと思います。淹れたてのブルーマウンテンの味はいかがですか?
リチャーズ大使:
まさに”キング・オブ・コーヒー”ですね、本当に素晴らしい味で、香りがとても上品です。
この一杯には、情熱と努力が込められています。C-Unitedのストーリーとも重なるものがありますね。
―最後に、日本の珈琲文化について、どのようにお考えですか?
友成:
喫茶店文化は、日本人の生活の中でとても重要な役割を果たしてきました。
1960年代から70年代にかけて、喫茶店は人々の社交場でした。そこで交わされる会話や読書、そして一杯の珈琲が人生に豊かさをもたらしていました。
珈琲館は、その文化を令和の時代にも残し、さらに新しい価値を加えて伝統を守り続けています。
私はいつも「心」と「科学」を大切にしています。一杯一杯の珈琲に心を注ぐと同時に時代背景にも配慮していくということです。
リチャーズ大使:
私も深くそう思います。
企業の精神や方針、そして組織全体に「心」と「科学」が息づいており、その中心には常に人がいる。
言葉だけでなく行動として体現されていることを強く感じます。
世界の多くの地域が厳しく競争的で、個人主義的へ傾く中で、日本は思いやりや優しさ、気遣いを大切にし続けている。
私はそんな日本の姿勢を深く深く尊敬しますし、喫茶店はまさにその思いやりが形となって現れる場所だと感じています。
ブルーマウンテンコーヒーも同じように、農家の方々の努力とそのコミュニティの人々が心を込めて作り上げています。
その思いやりを、このお店で届けるという考え、本当に素敵だと思います。
日本とジャマイカは長いパートナーとして歩んできました。
これからも珈琲を通じて、文化や友情を育てていけると信じています。
